令和元年度補正ものづくり補助金情報

 令和元年度補正予算は、明日参議院での審議を終えて成立の運びと報道されています。概ね例年通りのスケジュールで進んでおりますので、早ければ2月末遅くても3月中には公募が開始されるものと思われます。
 ここでは補正予算での申請内容と事務局公募情報を整理して今回のものづくり補助金の概要をお知らせします。

1.従来事業との実施上の相違点

1)電子申請への移行
これは平成30年度補正事業の二次公募から適用されていますが、今回も適用されるでしょう。ただ前回のシステムは、肝心の「事業の内容」の記載がプレーンテキストで表現力が全くなかったので、別添のPDFファイルで対応されたものが多かったようです。この点はシステムの改善という点で注目されます。
 なお 平成30年度補正事業の二次公募では、ミラサポのプラットフォームを利用したシステムでしたが、今回は経済産業省が構築した「Jグランツ」 から申請となる予定です。JグランツのID取得には2~3週間がかかるので補助金申請を予定されている方は今から手続きを進めることをお勧めします。

2)基金事業による変化
過去のもの補助の基金事業は、平成26年補正から28年度補正まで行われていましたが、その後は単年度の補正予算に基づく実施となっていました。単年度予算での実施の弊害としては、事務局の精算期限が当該年度の2月末に設定されているために、事業者の事業実施期限が遅くても1月中となります。これでは納期の長い設備類の購入が難しくなる場合も多かったと思われます。
 今回事業では公募が常時に行われ採択は3カ月おきに行うことになります。詳細は不明ですが、採択後一定期間(9カ月程度?)の事業期間が設定されると思われます。

3)事業類型
一般型、グローバル型、ビジネスモデル構築型の3つとなります。一般型は従来の内容と同じとなります。今回は試作開発も含まれる予定です。グローバル型は海外事業の拡大・強化等を目的としたもので補助上限額が3000万円まで拡大されます。ビジネスモデル構築型は中小企業支援者向けの内容となるものと思われます。

4)申請要件の実効性担保
従来事業ではあいまいであった賃上げ等の加点要件の実施について、今回事業より補助金の返還の仕組みが組み込まれます。

5)減点要件の追加
 過去3年間に、平成28年度補正事業以降のものづくり補助金の交付を受けた事業者については、審査上の減点措置とることになりました。

2.公募要領(一般型・グルーバル型を中心に)

1)申請要件
 従来の付加価値額の増加に加えて、賃金アップの要件は追加されました。
・ 事業計画期間において給与支給総額を年率平均1.5%以上増加
・事業場内最低賃金*を地域別最低賃金+30円以上
・付加価値額を年率平均3%増加
 * 事業場内最低賃金とは事業場内で最も低い賃金のこと

2)加点要件
 従来事業と異なり4項目それぞれが加点評価されるようです。
a.経営革新計画の承認
b. 小規模事業者、又は、創業5年以内の企業
c. 激甚災害指定地域被災事業者、事業継続力強化計画の認定
d.事業計画期間において、給与支給総額を年率平均2%または3%以上、事業場内最低賃金を+60円または+90円以上(賃金の引上げ幅に応じて段階的に加点)、社会保険加入の制度改革に先立ち任意適用に取り組む場合(いずれかひとつを満たすこと)

3)補助率等(補助上限、補助率)

事業類型補助上限額
(補助下限額)
補助率
一般型1000万円
(100万円)
中小企業 2分の1
小規模事業者 3分の2
グローバル型3000万円
(100万円)
中小企業 2分の1
小規模事業者 3分の2
ビジネスモデル構築型1億 円
(100万円)
支援者 定額補助

公募が始まりましたら、更に詳細な情報を提供します。