中小企業3大補助金採択状況と今後の見通し

 2020年に実施された中小企業の3大補助金(ものづくり補助金と小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金)の採択状況等を整理した上で今後の見通しをコメント致します。

予算状況(中⼩企業⽣産性⾰命推進事業関連)

予算額
H30年度2次補正予算1,100億円
R1年度補正予算+R2年度1次補正予算4,300億円
増加率3.9倍

応募状況(採択公表済みのみ)

持続化補助金ものづくり補助金IT補助金
H3033,282件20,802件約9,800件**
R1+R2*95,620件14,930件約41,000件**
増加率2.9倍0.7倍4.2倍
*持続化補助金は一般型とコロナ型、IT補助金はA~C類型の合計
**https://soichiro.co.jp/blog/it_hojo_saitaku/を参照し想定した

 3大補助金も予算額は2019年実施の約4倍のとなっています。応募状況は、ものづくり補助金を除いて3~4倍と著増しています。ものづくり補助金は、業績の先行き不安や申請書作成の負担等から敬遠されたものと推測されまが、今後発表される4次・5次申請を加味すると例年と同程度の応募数が想定されます。

採択状況(採択公表済のみ)

持続化補助金

応募数採択数採択率
H3033,282件29,945件90.0%
R1+R295,620件57,758件60.4%

 持続化補助金の採択率は、90%から60%に大幅に低下していますが、応募数が著増した影響と思われます。応募の中には申請書の体裁すら整えられていないものが多数含まれていたとの話もあるので、あまり神経質になる必要はないと思います。

ものづくり補助金

応募数採択数採択率
H3020,802件9,531件45.8%
R1+R214,931件7,333件45.1%

ものづくり補助金の採択率は、これまでの実績と概ね近いものでした。3次審査では採択率が大幅に低くなって難易度が高くなったとの評価も見受けられましたが、全体で見ると1次・2次で採択率を高めた反動と申請数の相対的な増加の結果とみられます。

今後の採択見通し

今後の採択の発表日程は以下の通りです。

補助金名称申請締切日採択公表日
持続化補助金
一般型(第3回)
2020年10月2日2021年1月中
  〃
一般型(第4回)
2021年2月5日(2021年5月中?)
  〃
コロナ型(第4回)
2020年10月2日2021年2月中
  〃
コロナ型(第5回)
2020年12月10日(2021年4月中?)
ものづくり補助金
第4次
2020年12月18日2021年2月中旬
  〃
第5次
2021年2月19日2021年3月末
IT導入補助金
A類型、B類型(第10次)
2020年12月18日2021年1月末
  〃
C類型(第9次)
2020年12月18日2021年1月末

 これまでの採択実績から予算消化状況を推測すると7割程度とみられることから、今後の採択数は、持続化補助金(一般型+コロナ型)で30千件程度、ものづくり補助金で5千件程度、IT導入補助金(A類型+B類型+C類型)で4千件程度とそれぞれ想定されます。