中小企業向3大補助金活用のポイント

新年度の入りまして、相次いで中小企業向けの補助金の募集が始まっております。そこで「事業再構築補助金」「ものづくり補助金」「小規模事業者持続化補助金」の内容を整理して、どのように活用したら良いかを解説します。

 

まずはスケジュールです。最も締切の早いのが、事業再構築ですので未着手の方はちょっと厳しいと思います。いずれの補助金も複数回の募集が予定されているので、十分な準備を行って申請下さい。
 一部の支援業者は採択率で難易度を論じる方がおられますが、最近の中小企業補助金審査は、絶対評価になっていますので、採択に値する質の高い申請書を作成することが、採否を決めるもっとも大きな要因です。

名称次回締切その後の募集
事業再構築補助金(第1回)2021年4月30日18時4回程度の募集予定
ものづくり補助金(第6次)
(一般型、低感染リスク型ビジネス枠)
2021年5月13日17時第9次までの募集予定
小規模事業者持続化補助金
(一般型)(第5回)
2021年6月4日2~3回?の募集予定
小規模事業者持続化補助金
(低感染リスク型ビジネス枠) (第1回)
2021年5月12日第6回まで実施予定

 次の補助金事業の目的です。補助金にはそれぞれ政策目的がありますので、自身の投資等の目的と政策目的が合っている補助金を選択する必要があります。
 特に昨年来のコロナ禍の事業環境に対して、多くの補助金が提供されていますので、補助金額や補助率に惑わされずに、その政策目的に合致する補助金を活用しましょう。

名称政策目的
事業再構築補助金(第1回)ウィズコロナ・ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応するために、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援
ものづくり補助金(第6次)
(一般型、低感染リスク型ビジネス枠)
革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行い生産性を向上させるための設備投資等を支援
小規模事業者持続化補助金
(一般型)(第5回)
小規模事業者等が取り組む販路開拓等の取組みの経費の一部を補助することで、生産性向上と持続的発展を図ること
小規模事業者持続化補助金
(低感染リスク型ビジネス枠) (第1回)
対人接触機会の減少に資する前向きな投資を行い、ポストコロナを踏まえた取組みを支援するもの

 次は補助対象経費です。これも各補助金の特性にあわせて特徴があります。持続化補助金を除いては設備投資を前提としていますので、機械装置費(システム構築費)が必須となっています。各補助金の特徴的な補助対象経費は赤字で示していますので参照下さい。
 ザックリ解説すると事業再構築補助金はコロナ禍の影響で先行きの改善が望めない事業者が対象で店内改装やテラス席化等の建築費が必要となる場合に有効です。
 ものづくり補助金は、既存設備の高度化更新や新製品開発する場合に有効です。
 小規模事業者持続化補助金は、Webサイト構築や看板の新設などの販売促進や顧客満足度の向上を目的とした店内改装といったことが申請可能です。

名称補助対象経費
事業再構築補助金(第1回)建物費(含む解体費等)、機械装置・システム構築費、技術導入費、外注費、専門家経費、広告宣伝費・販売促進費、研修費
ものづくり補助金(第6次)
(一般型)
機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費
ものづくり補助金(第6次)
(低感染リスク型ビジネス枠)
機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費
小規模事業者持続化補助金
(一般型)(第5回)
機械装置等費、広報費、展示会等出展費、旅費、開発費、資料購入費、雑役務費、借料、専門家謝金、専門家旅費、設備処分費、委託費、外注費
小規模事業者持続化補助金
(低感染リスク型ビジネス枠) (第1回)
機械装置等費、広報費、展示会等出展費(オンライン限定)、開発費、資料購入費、雑役務費、借料、専門家謝金、設備処分費、委託費、外注費、感染防止対策費