中小企業3大補助金採択状況と今後の見通し

 2020年に実施された中小企業の3大補助金(ものづくり補助金と小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金)の採択状況等を整理した上で今後の見通しをコメント致します。

予算状況(中⼩企業⽣産性⾰命推進事業関連)

予算額
H30年度2次補正予算1,100億円
R1年度補正予算+R2年度1次補正予算4,300億円
増加率3.9倍

応募状況(採択公表済みのみ)

持続化補助金ものづくり補助金IT補助金
H3033,282件20,802件約9,800件**
R1+R2*95,620件14,930件約41,000件**
増加率2.9倍0.7倍4.2倍
*持続化補助金は一般型とコロナ型、IT補助金はA~C類型の合計
**https://soichiro.co.jp/blog/it_hojo_saitaku/を参照し想定した

 3大補助金も予算額は2019年実施の約4倍のとなっています。応募状況は、ものづくり補助金を除いて3~4倍と著増しています。ものづくり補助金は、業績の先行き不安や申請書作成の負担等から敬遠されたものと推測されまが、今後発表される4次・5次申請を加味すると例年と同程度の応募数が想定されます。

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事業承継支援実績

私が経営相談員を務めております横浜企業経営支援財団(IDEC)で実施した事業承継支援の実績を、同財団のIDECニューズレターNo32に掲載していただきました。

事業承継補助金申請のポイントが公開

少し旧聞となりますが、5月21日に中小企業向情報サイトであるミラサポに、現在募集中の事業承継補助金の申請のポイントが掲載されました。

事業承継補助金申請のポイント(補助金虎の巻Vol.13

上記の記事の中で説明されている内容は、公募要領の選考基準(独創性、実現可能性、収益性、継続性)そのもので目新しいものではありません。しかし指定された様式1別添は保護されたエクセルシートで、とても選考基準を十分記載できるとは思えません。

一方、記事後段の「補助金を検討する皆様へ」の中では、「支援制度の活用に当たっては事業者が主体的に中長期的な計画を立てる事が重要」と述べています。

これらのことを合わせて考えると、公募要領にさりげなく書いてある「補足説明資料」が審査上重要な役割を果たすこととなりそうです。一般に事業承継での計画と言うと事業承継マニュアル等で示されているものを思い浮かべがちです。しかし、これは経営全般を対象とした「中長期的な計画」として不十分なものと考えますので、しっかりとした中長期計画を別途作成して補足説明資料として提出することが採択への近道です。

事業承継マニュアル(中小企業庁)

以上